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BOT・RMT問題を消し去る方法

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西洋と東洋のゲーマーの傾向?

[GDC07#16]欧米産MMORPGの中で,なぜWoWだけがアジアでも成功しているのか? 魏 晶玄氏が語る,西洋と東洋におけるゲーマーの違い

上記は2007年3月の4gamer.netの記事です.リンクしておいてなんですが,この記事の内容の半分くらいはあまり納得できる内容ではありませんでした.理由はこの記事は東洋と西洋のゲーム・ゲーマーの違いについて言及したもの(より正確にはそういうテーマの講演の内容を紹介したもの)ですが,ここでいう東洋とは我々日本のことではなく主に韓国・中国を指したもので、いまひとつ我々日本人のプレイヤの視点と合致しないことです.むしろ日本はその中間か,西洋よりであると(この講演者の考えでは)されています.また,もう一方の比較対象である西洋についても西洋のゲームについてあまりよく知らないためこれまたいまひとつピンときません.(私自身WoWはプレイしているけれど,この記事にあるとおりWoWは西洋と東洋のいいとこどりをしたゲームであり,西洋のゲームの典型例とはされていません.)つまり上記参照記事は自分のよく分からないだれかさんとだれかさんを比較したものであるため,結局読んでも「そうなのかなぁ~?」ぐらいにしか感じなかったわけです.ただし,後半で述べられている「プロセス志向」,「結果志向」という注目の仕方は非常に興味深いものでした.また,最後にあるこの記事を書いていた記者自身の考え方もまた面白いと思ったので,本エントリーを書くきっかけとなりました.

プロセス志向と結果志向

「プロセス志向」とはゲームをプレイする過程での楽しみを重視することであり,「結果志向」とはゲームをプレイして得られる(ゲーム内)の成果を重視するというものです.そして東洋のゲーム・ゲーマーは結果志向であるとしています.

念のためつまらない誤解のないように付け加えますが,あくまで"志向"であり結果"至上"でもないし,「そういう傾向だ」というだけでもちろん東洋のゲームにもプロセス志向の要素があり,プロセス志向のゲーマーも当然いることを無視しているわけではありません.

この「プロセス志向」であるか「結果志向」であるかは,この記事の最後の記者のコメントにあるとおり,RMT,BOTの問題と強くかかわってくるものです.

BOT・RMT皆無のゲーム

非RPGで考える

例えば,MMORPGではなくマルチプレイヤのシューティングゲームやアクションゲームについて考えてみます.FPSゲームならば単にCOMプレイヤとしてのBOTは普通にあったりしますが,これは通常,プレイヤの対戦相手としての役割です.そういう目的ではなく,これらのゲーム内で自分の代わりとして振舞うBOTを使用したとしてどんな意味があるでしょうか?

完璧なBOTによりゲーム内で他の通常のプレイヤを打ち負かし,オンラインランキングでTOPになったりする.もし「そういう結果でも非常に満足だよ.」と言われてしまえばそれまでですが,そういう人は稀ではないかと思います.この種のゲームでも「ハイスコア」や「試合の勝敗」なんて形で結果に意味はあるものの,重要なのはゲームをプレイしているそのプロセスを楽しむものでしょう.ゲームで他のプレイヤにどうしてもうまく勝てない=結果を出せなければそれは不満になるかもしれませんが,かといってBOTが肩代わりをしてよい結果を出したとしても何の面白味もないわけです.

最初に例えとして非RPGゲームを挙げましたが,つまり,プロセス志向であればオンラインゲームの運営側が対策をとるとかとらないとか以前にBOT・RMTに意味がないのです.

RPGにおいて

RPGではキャラクタの成長要素が入ってきたりして,同列に論じることはできないものの,プロセス重視のアプローチをとることはできます.西洋の典型とされるMMORPGではありませんが,西洋的要素を含むWoWのプレイ経験はあるので具体例を考えます.

WoWでもBOT,RMT問題はあるにはあるようですが,L2ほど大きな影響は及ぼしていないと思います.(単に私の言語能力のせいで問題を認識できていないからではなく・・・たぶんね.)これは運営側の取り締まり能力がどうこうは別として,WoWのゲームデザインを起因とするものもあります.

その一つとしてWoWでよい装備を得るには自分自身で直接取得する必要があるということがあります.ゲーム内のよい装備のほとんどは他のプレイヤとのトレードが不可能なであるため,ゲーム内通貨をいくら積んでも他人から入手することはできません.つまりRMTによる入手ができません.譲渡不可能であるのは自分のアカウントの別のキャラクタに対してもそうであるため,高レベルキャラでよい装備を集め,それらを使って低レベルの自分のキャラをパワーレベリングするなんてこともできません.もちろん一部のゲーム内通貨で購入できる物を最大限利用すれば有利に進めることはできますが,それよりもゲームの操作が上手いかどうか,クエストに関する知識があるかどうか,よい仲間がいるかどうか,などゲームのプロセスを自分自身で上手く攻略していくことの方がより重要です.(ここで,なんだかそれはめんどくさそうだなと感じる人はまさに結果志向でしょう.)

またそもそも,ゲームのデザインがプロセス志向ということはゲームの面白味もプロセスにあるため,仮になんらかの手段でプロセスをパスしていきなり結果のみを得る手段があっても,そんなことに興味が湧かないわけです.つまり,先のシューティングゲームでBOTを使ってハイスコアを得たとしてもなにも面白くないのと同様です.同時に,自分自身でそういう手段をとることに興味がないだけでなく,傍らにもし不正な手段で結果を得たプレイヤがいても自分自身のゲームの楽しみには影響がないわけです.

つまりは,卵が先か鶏が先か・・・

ゲームのデザインをプロセス志向にすることにより根本的にRMT,BOTの問題を抑えることができるならば,何故全てのゲームがそうならないか?といえば,それは結果志向のゲームを好むユーザが(その人がBOT・RMTを利用するかは別として)多いからでしょう.そしてそれが東洋のMMORPGの市場の傾向です.結果志向のユーザが多いから,結果志向のゲームデザインになるのか,結果志向のゲームデザインだから,ユーザも結果志向になるのか.これは鶏と卵のようなものでしょうかね.何が最初かはわからないけれど,現状として,冒頭の4gamer.netの記事の中にあるとおり,中国市場ではBOTを使用したことのないユーザがわずか4.1%となっていていたり,BOTの使用は問題ではないという考えが過半数を占めていることから,プロセスをパスして結果のみを得ることに抵抗がない人は多いようですね.

これは余談ですが,ゲームデザインに関して言えばアジアではMMORPGの利用形態がネットカフェからの利用者が多いというのも大きく関わっていると思います.例えばL2では世界観を大切にするためにオークションシステムを導入せず現在の売買露店のシステムを続けると言っていますが,これはネットカフェの利用時間を延ばすのに大きく貢献しますね.これはネットカフェ側に嬉しいことだし,運営側もゲームの人気の指標にユーザの接続時間数を用いることがありますのでこれは運営側にも嬉しい・・・何をかいわんや・・・

BOT・RMT生態系

これはもう"体質"といってもよいかもしれないですね.ゲームの中の世界だけの閉じた思考であれば,BOT・RMT業者を責め,その利用者を責め,さらにそれを防ぐことができない運営側を責めるばかりですが,さらにその外側からみればBOT・RMTが有効な結果志向のゲームをデザインが原因であり,それはユーザの好みに合わせてのものです.

逆にもし,ユーザがプロセス志向のゲームを好むならば,市場で支持を集めるゲームもプロセス志向のものになり,そしてそれらではBOT・RMTが根本的に意味がないものになってくると.で,何が言いたいかというのは一生懸命「BOTの使用反対!」とか「RMTするやつはクソ!」とか批判している人も実はBOT・RMT問題を生む生態系の一部ですね,ということ.

このサイトで何度かBOT・RMTに関してエントリーを書きましたが,私は別にこれらの利用者を憎んでいるから言及しているわけではなく,「とりあえず目の前の自分にとって不快な対象に文句いっとけ.」というレベルで"BOT・RMTに反対している人"の方に常に疑問を感じているからです.中には「毎晩酒を呑みながらナイター中継みて文句いうのが趣味だ.」というオヤジみたいにBOT・RMTに対する文句を言うこと自体が趣味で,真に解決したいとは思っていない人もいるかもしれないけれど,解決したいと思っているのに結果志向のゲームデザイン・遊び方にどっぷり漬かっている人はもう少し(自分自身の姿が見えるくらい)離れて問題を考えてみては?と思うわけです.

私のなりたい効率厨

これらの話は別に「プロセス志向」が「結果志向」よりも優れているということではありませんが,少なくとも,もし仲間と一緒に遊んでいるそのこと自体が本当に楽しいならば,例えBOT・RMT問題を含む結果志向のゲームの中であってもそれがプレイの楽しみの大きな障害にはならないのではないかと思います.そういう遊び方ができる人は"経験値効率"でも"お金効率"でもない"ゲーム楽しみ効率"にすぐれた効率厨だといえますね.私はそういう効率厨になることを忘れずにいたいといつも思っています.

ついでに・・・

本エントリーの最初に紹介した4gamer.netに関連する記事として,以下のものも読んでみると面白いかもしれません.

[AOGC2007#11]欧米のオンラインゲームがなぜアジア市場で失敗したか? そして韓国ゲーム市場の最新動向とは

[AOGC2007#07]アジアで成功するオンラインゲームを考える。ソウル中央大学教授ウィ・ジョヒン氏インタビュー

[GC 2007#003]MMO界の有名人達が考える,大ヒット作「World of Warcraft」のあとに続くMMORPGとは?

最初の記事と同様に「アジアについて」として説明している内容は日本の状況に当てはまらないものも多いと思うけれど,L2自体はそのアジア市場全体を意識して開発しているものであるし,中々参考になると思います.

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コメント (1)

わか:

>ここに来る私の友人の方々へ
ここでは(本来の姿の)まじめキャラでやってるのであなたたちも行儀よくしてくださいね(^^;;
ね,Mさん.

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