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Date: 2007-05-22 21:33FPcalcにSS燃費算出機能も盛り込もうとは以前から思ってはいましたが,着手が後回しになっていたのは「これは単純にはいかないだろうな」というのを漠然と感じていたからです.通常の火力計算の実装に区切りがついたので,次にSS燃費計算でも実装しようかと少しまじめに考えてみましたが,これは予想以上に難しいものだということを改めて感じました.以前のエントリー「数字とグラフにだまされないで!」ではグラフの扱いを通して,分かりやすく結果が示されているときでもその扱いには注意が必要だ,という旨の内容を書きましたが,「SS燃費」の値にも同様な問題が存在しているからです.
エントリーのタイトルはちょっと注意を引きやすいかなということで上記のタイトルにしましたが,意図するところは「SS燃費は何を表す数値なのか?」というような感じです.「SS代金あたりの火力のコストパフォーマンス(あるいはその逆)だよ」というのはもちろんなのですが,問題はそのコストパフォーマンスが何の指標になっているのか?というところです.
何をしたくて燃費計算か?
まず,SS燃費を計算する目的ですが,これは多くの場合「アデナ稼ぎにどちらが有利か?」ということを知るために参考にしようとしているのだと思います.しかし,「SS燃費」のみで「儲かる武器」を選択するのは間違いだといえます.「SS代金あたりの火力」は決して「SS代金あたりの儲け」とはならないのです.例えば「燃費が全く同じ武器なのに儲けに差が出る」ということや「燃費が悪い武器の方が儲けが大きい」ということが多分に起こり得るからです.
SS燃費と儲けに因果関係はあるのか?
先の前者の例を考えて見ます.SS燃費を単位時間当たりの「火力/SS代金」で計算するならば,元の火力に大きな差があっても同じSS燃費になることも当然あるわけです.これはSS燃費が同じでも単位時間当たりの倒す敵の数に差がある,つまり収入に差が出てくるということです.
思考を単純にするため,火力と収入が比例する理想環境での狩りを考えてみます.ある「武器A」とSS燃費はAと同じだけれどその2倍の火力がある「武器B」があったとします.同じ時間でBはAの2倍の収入を得ることになります.両者のSS燃費は同じなのでBはSSコストも2倍になっています.儲けはというと「収入-支出(SS代金)」で考えればBは収入,支出ともAの2倍ですから儲けもやはり2倍です.もし,儲けがマイナス,つまり赤字狩場ならば赤字も2倍ですが.
このことから,理想環境での単純な例ではありますが「SS燃費」のみをみても「儲け」の指標にならないことは分かります.この場合はSS燃費を同じとしたので儲けは火力に比例しているわけですが,逆に火力が同じ場合は — こちらは比例とはなりませんが — 当然儲けはSS燃費がよいほどよくなります.しかし,実際にはこのような火力やSS燃費のどちらか一方が等しいものだけを比較するのではありません.様々なパターンの中には先の例の「燃費が悪い武器の方が儲けが大きい」ということも別段特殊な例ではなくあり得ることだと分かると思います.
別の視点で
特に根拠もなく今まで燃費を計算して「お得な武器」を判別してきた,判別できると思っていた場合,突然それには意味がないといわれても多少混乱があるかもしれません.そこで既に理解のあると思われるものを例に考えて見ます.
「SS燃費」ではなく「火力」のことについて考えると,「火力」において例えば「武器の攻撃力」という要素は重要なものですが,その全てではありません.火力を考える上で「武器の攻撃力が高ければ火力が強い」というのは間違っていることはいってないけれど正解ではない,という点はFPcalcを利用される方ならばその理解に問題はないと思います.言うまでもなく,「火力」を決めるには他に「攻撃速度」,「クリティカル」などの要素が影響してくるからです.「武器の攻撃力」以外の要素が全て同一の条件で「火力」を比べるならば「武器の攻撃力」の大小で「火力」を判断しても問題はありませんが,そうではない場合「武器の攻撃力で劣る武器が火力では上回っている」なんてことが起きるのは特別不思議なことではありませんよね?短剣と両手鈍器の比較などを考えてみれば明らかなことです.
「火力を判断する上で武器の攻撃力だけをとっても結論を出すことはできない.」
「儲けを判断する上でSS燃費だけをとっても結論を出すことはできない.」
というわけです.
SS燃費の意味は?
果たしてこのような中でSS燃費の数値はなんの役割を果たすでしょうか?結果を数字として出すと,それを見た人にその優劣をはっきり印象付けてしまいますが,そもそもその数字が目的とする結果の判断材料になってないならば数字の大小をみても何の意味もありません.意味がないことを知っている人が利用するのならばまだよいものの,それを意味のあるもの,つまりそれで「儲け」が分かるものと思っている人が誤用することを考えればデメリットしかないといってもいいでしょう.
結局のところ,「収入-支出」の単純な引き算の一方である「収入」について全く論じずに,いくら「儲け」を考えても何ら正確な指標など算出することはできません.「支出」はSS代金として単純に計算できるのに対して,「収入」は狩場やそのサーバの相場によって常に変化することを考えると数値としてはっきり示すことは不可能です.「収入」を考慮しない中途半端な計算は,式の足りない連立方程式を解こうとしているようなものです.そのため「火力が同一である」,「SSコストが同じである」などの条件を加えた上での解しか得られないのです.「SS燃費」はそれ自体を算出することはできてもその値を単独で何かの参考・判断材料として用いようにもその用途がないということです.
結論として
以上内容は全て「SS燃費」計算に否定的なものですが,結論としては,少し見せ方を考えようとは思いますが,FPcalcにも実装はしてみようというのが今のところの方針です.「SS燃費」の限られた用途として「火力を同一である」という条件を加えた上での比較がありますが,FPcalcならばこの条件をグラフ上の位置として見せることができると考えたからです.ただし,現在は「火力」をスケールの基準としたグラフ上にデータ配置を行っているものを「SS燃費」をスケールの基準として切り替えて配置する,というようなことも当初は考えていましたが,今までのとおりこれは何の意味もないことだと思われるのでそれは必要ないと考えています.
その他
今回は「SS燃費」は「儲け」の判断基準として用いるものという前提で話をし,「SS燃費」単独では「儲け」の判断基準にはならない,としましたが。そもそも「儲け」以外に「SS燃費」を何らかの判断基準として用いている方がいましたらご意見いただければ幸いです.またその他「SS燃費」の意義についてもご意見ありましたらお寄せ下さい.
コメント (6)
いわゆる「燃費」の一般的な概念ついての批判はぼくもそのとおりだと思います。燃費とは{収入-コスト}という単純なものではなく、倒すまでの時間変数(一定時間の間に倒す数など)の乗数として見なければいけないと。
しかしながら、それが単純に当てはまるのはソロプレイの時くらいだと思います。固定ptなど特殊なptを除いて、野良ptを作る場合、誰が来るかは前もってわからないので、完成するptの「総燃費」を知ることはできません。言い換えると、野良ptにおける「燃費」とは、組みうるptの燃費の総平均でしか表せないのです。
さらに、ptの「燃費」をかりに示すことができるとしてもそれはあまり意味がない事だと思います。なぜなら、SS清算のptではない限り、プレイヤーの主観として気になるのはpt全体の利益なのではなく、あくまで自分(当然自分と他人の利益の違いも含みます)ですから、「ptで1人のmobを倒すのに自分はいくらのコストを負うのか」という問題がもっとも重要になってくるのです。
つまり、火力が高く、コストも高い武器を選ぶということは、自分の分け前を減らし、他人の分け前を増やすということになってします。例えば「あいつは1匹につき500Aのアデナ収入を得ているが、自分は取得アデナよりも多くのコストを負っている。これは不公平だ!」というような問題が必ず出てきてしまう。
このような状況から、OEの問題があるので単純ではないですが、武器自体の持つ単純なSS燃費というものが必ずしも合理性を持たないにもかかわらず、非常に大きな指標になっている1つの理由なのだと思います。
付け加えですが、単位ダメージに対するSS効率というのはその武器のコストに関して有意に示せるものだと思います。
流し読みした上での意見なので論点がずれていたら申し訳ない^^;
投稿者: masaki [2007年5月29日 04:34]
>masakiさん
ご意見ありがとうございます.
まず,コメントを読んで気になった点があるので最初にこのエントリーの趣旨について補足します.
このエントリーは「燃費」の一般的な概念についての批判ではなく,「火力/SS代」で表される「SS燃費」という数値が「燃費」からイメージする一般的な概念に結びつかない,という点についての批判です.「SS燃費」として算出した数値が「どれだけアデナとしての稼ぎを得られるか」という武器のコストパフォーマンスを判断する役目を果たしていない,というのが問題であり,武器のコストパフォーマンスを考えることが意味がないということを言っているのではありません.この「火力/SS代」の数値についての論議なのでエントリーで指す「SS燃費」は全てこの「火力/SS代」の数値を意味するものです.それを踏まえた上で以下,頂いたコメントについての見解です.
まず,1点目に
「ptで1人のmobを倒すのに自分はいくらのコストを負うのか」
という点についてですが,このことが重要であるという部分は私も同意なのですが,この点と「火力/SS代」で算出するSS燃費にも意義がある,ということにつながりはあるでしょうか?
・火力が低く,SSコストも安い武器
・火力が高く,SSコストも高い武器
両者はSS燃費において同一になることはあっても,自分の負うコストは同一になりませんよね?結局この問題のポイントはPTにおいて自分の出している火力を抜きに考えればよいだけなので単純に時間当たりのSSコストのみで判断できる問題だと考えられます.(あとは世間体からあまりに安っぽい武器では印象が悪いというファジーな要素はありますが)
また,2点目の武器のコストについてですが
>単位ダメージに対するSS効率というのはその武器のコストに関して有意に示せるものだ
とありますが,その武器のコストが望ましいものであるというのはどうやって判断するでしょうか?もし,「高いお金を払って買う武器がどれくらい狩での稼ぎに役に立つのか」というようなことを指しているのならば,これは結局エントリーにおける「収入」という部分が形を変えているものだと見ることができます.「火力/SS代金」による数値が武器のコストを評価する判断基準なる,というのがどのようにつながりをもっているのかがやはり不透明です.
結局のところPTにおける自分の負担,武器コストについて考える時,どちらも武器のコストパフォーマンスは重要なのだけれどそれは「火力/SS代」であらわされる数値はやはり判断基準にならない.という点は変わらないと考えられるのですがいかがでしょうか?
あと,masakiさんのコメントの冒頭の部分で気になった点として
>燃費とは{収入-コスト}という単純なものではなく
とありますが,エントリーの方は「火力/SS代」という単純なものではなくて「収入」を視野に入れず「燃費」を論ずることはできないというのがその流れです.例えば自動車の車種ごとの燃費を比較する場合,「移動距離」という成果に対するコストパフォーマンス出しますが,比べる対象はみな同じ成果に対して数値を出さなければ意味がありません.通常ではこれは「移動速度を同じにする」という条件を加えてこれを成り立たせるわけです.
武器の燃費という話が難しいのはこの「移動距離」にあたる成果を同一にするという点を無視して考えようとし,なんとか数字をやりくりしてうまい具合に現実にあわせようとするけれどうまくいかない,ということによって起こってるように思います.自動車で言えば100km/hで走る車と40km/hで走る車の燃費を比べようとするような感じです.— 異なる速度での燃費を考える場合もありますが,このときは「同一車種」であることと,速度は異なっても最終的な成果である「移動距離」は同じものを考えているという暗黙の了解があるので今回の武器の燃費比較とは全く別のものです. — 単純な「収入-コスト」という原点こそ重要で無視できないというのが論旨です.
投稿者: わか [2007年5月29日 05:45]
レスありがとうございます。ちゃんと読ませていただきました。ものすごくいい加減に
読んでしまっていた事、的外れな事を言ってしまったことを反省しています。
「燃費」などの単語を使う上で、意味についてちゃんと理解せずに雑に使ってしまった事と、
以前少し似たよな事について考えていたこともあり、そこからの勝手な先入観を持って
読み進めてしまっていたのがよくありませんでした。
しかし、改めて読んでみるとより本質的で難しい論議(特に、SS燃費の意味は?での指摘が)
だったことがわかり、レスを含めわかさんの論理力・文章力の高さに驚嘆してしまったと同時に、
大きなお手本になりました。
投稿者: masaki [2007年5月30日 04:12]
>masakiさん
「SS燃費」については私自身もFPcalcへの機能要望の一つとして出てくるまでは深く考えたことがなく,そのややこしさに気づいてさえなかったものです.エントリーとして書いたのも誤用している人に知ってほしいということ以上に,自分が気づいた「間違い」自体にも「間違った部分」がないかどうかを少し客観的に見るために書いたという理由の方が大きいものです. 客観的に見るといっても頭の中だけで考えているよりは幾分ましな程度で,所詮は自分で書いたものなので,他の方からコメントを頂いてそれについて改めて考える機会があることは非常にありがたいです.エントリーを読み返すと書いた時点で問題を整理し切れてないため,いまいち分かりにくいなと感じるところ多々ですが,書き直すのもめんどうなのでこれはこのままで(笑).
投稿者: わか [2007年5月30日 15:35]
初めまして、武器の買い換えを検討するのに便利なツールで感動しています。
SS燃費についてですが、「フルSS状態Bグレ武器と同じ火力を出すのに、AやSなど格上の武器ではどの程度SSを込めればいいのか」という攻撃力を固定した比較がしてみたいな、と思いました。同時に、その場合のSSに対する出費がわかると嬉しいかな、とも思いました。
この比較なら、同じ狩場・同じ殲滅速度・ある程度同じ収入という条件で、どの程度支出が変化するか、となるので意味が出てくるのではないでしょうか。
しかしFPcalcへ実装する場合、SS消費量変化という新しい要素の上に成り立つ項目なので、あまり有意義でないコメントで申し訳ないです。
投稿者: 師 [2007年6月13日 02:45]
>師さん
コメントどうもありがとう
私もなにか役立つ用途はないかなと考えてみましたが,特殊な状況でのみよいかもしれないな,というものが多くやはり扱いは難しいですね.
私は大まかに2段階に分けて考えていて,算出する数字が正しいものであるかというのと,その数字が実際の状況で意味があるかどうかという点です.コメント頂いた比較の例の場合,後者の部分で疑問に思う点があります.
SS調整により火力を同じにするという方法はエントリーにもある「火力が同一の状況ならばSS燃費の比較はできる.」というのの一つの方法で,確かに正しい比較ができるという条件にはあてはまっているけれど,次の段階としてそれがどのような意味を持つのか?という点が疑問に思うところです.
その理由は,実際の狩りでも火力過剰の時はSSをセーブしながら狩りを行うことも確かにありますが,セーブの仕方は「78%くらいSS使おう」という数字ベースのものではなく,通常,敵の湧き状況などを見てのことではないかと思うからです.
数字を基準にしないのは単にそれが難しいからというのももちろんですが,敵の湧き状況を鑑みず出した数字に合わせる意味がないからです.敵が十分にいるのにセーブすれば(赤字狩場でなければ)無意味に狩効率を落としているのと同様で,逆に敵が足らないのにSS使用率を維持するのはさらに無意味なものです.
そのため,「68%SSを使用すれば下位グレードのフルSSの火力と同一になり,そのときのSS出費は20%上昇する.」といったことを算出し,それが確かに正しいとしても,その結果を何かの判断材料にすることがあるのかどうか?というところがやはりネックとなってきます.値が正しいだけでなく現実に意味がある数字であるためには「比較した下位グレードの武器のフルSS状態の火力がその狩場でちょうど一番狩効率を出せる火力である」という条件がさらに必要で,これはかなり特殊なものと言えます.
結局,正しい比較ができても「なるほど~これだけSS出費が増えるのね.」と数字を眺める以上に意味を持つことはないのではないか?というのが私の感じた所です.
ついでに・・・全然関係ないですが、Aグレードオプション武器のPvPダメージを計算しようということと,マクロメモさんで更新されている命中・回避関連のところは現在多忙中につき反映されていません・・・(多忙とは「他の多くのゲームやら趣味やらで忙しいの略です)お盆前くらいにはやろうかなと.(適当)
投稿者: わか [2007年6月14日 23:58]