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数字とグラフにだまされないで!

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注:下のグラフは説明用の例で実際のデータではありません.

Bar graph model 1モデル棒グラフ(その1)

上は説明用に適当につくったモデルグラフでBOTのアカウント数を表したとするもの — そもそも現実には把握している訳がない — ですが,さて,このグラフをみてどのような情報を読み取りますか?「BOTの数は着実に減少してる!」と思いますか?具体的なデータを数字で出すことやそのデータをグラフで分かりやすく表現することは人を説得する上で大きな助けとなりますが,そのデータの扱いには注意しなければいけないところもあります.上の例は分かりやすいようにあからさまに表現していますがその問題点はすぐ分かりましたか?

同じデータで異なる印象

単に2つの数の大小を判別するだけでなく統計データのようなものからどういう結論が導けるか?といった場合,視覚的に情報を得られるグラフは便利なものです.しかし,偏差値のような数値でのメタ情報と異なり,グラフならば何の知識がなくても直感的に理解ができるのは良いですが,逆にその便利なグラフであってもその正しい使い方・読み取り方を分かった上で利用しないと正確なデータから誤った印象を導いてしまうことにもなります.

その一つの例が最初の「足切り棒グラフ」.棒グラフは数字を見ただけでは分かりにくい項目ごとの量の大小を一目で判断するのに使われますが,それが「足切り棒グラフ」であったならば,もはや絶対的な量の比較にはなっていません.

「足切り棒グラフ」自体が良くないものだというのではありませんが,「足切り棒グラフ」が相対的な大小を表すもので,「足切り」の程度により差を拡大して見せるものであることを十分理解して利用する必要があります.実際のところ読み手側がどの程度「足切り」されたものかを注意して見なければならないことを考えると,棒グラフを足切りにしたほうが良い局面というのはそれほど多いようには思えません.量の大小を直感的に知りたいが故に使用するのに読み手の注意が必要となるのでは本末転倒に思えるからです.多くは主に情報を伝える側が結論を強調するために用いていて,本当に適切に用いられているというのは少ないのではないでしょうか.最初の説明用のグラフ例を「足切り」ではない形にしたのが下のグラフです.同じデータを表現したものですが印象は変わりましたか?

Bar graph model 2モデル棒グラフ(その2)

このような例でよいサイトはないかと調べたところ,我々が日常的に触れるメディアの中でのこの問題の例を取り上げているとても参考になる記事「日常化するNHKの捏造棒グラフ」およびその続編「NHKの棒グラフ描画システムが機械的に世論を狂わせている可能性」(いずれも高木浩光@自宅の日記の記事より)がありましたので是非読んでみてください.

FPcalcの場合

FPcalcの場合も結果の表示には「足切り棒グラフ」と同様に相対的な座標を用いています.FPcalcが元々絶対的な火力を知るためのものではなく,武器ごとの火力の差を比較したい目的で作られたためです.補助的ですが絶対的差の程度を知る手がかりとしてパーセントでの表記も可能にしてあるので,グラフ上大きな差に見えてもその違いは数%であった,ということは分かります.ただし,分かりやすいものとして「足切り棒グラフ」を例としましたが,本旨は座標系が相対的であるか,絶対的であるかに注意してほしいということではなく,具体的な数値やグラフとして出てきた結果を最終的にどのように判断するか,どのように用いるかが重要だというところです.「事件は会議室で起きてるんじゃない,現場で(略)」という話もありましたが,机上の計算で分かることは全てではなく,またその計算自体にも間違いがある可能性もあります.結果の正しい読み取り方,結果に対する考察もなしに,それがさも唯一の真実であるかのように語るのは危険です.

数値に興味を持つ人は数値だけでは全てが分からないことにも十分に関心を持ってください.

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